電波ばく露レベルモニタリングプロジェクトとは

我々の身の周りには電波を利用した様々な機器があふれていますが、携帯電話・携帯電話基地局・無線LAN等からの電波は、電波防護指針に基づき、人体に悪影響を及ぼさない範囲で利用されています。他方、海外では、第5世代携帯電話(5G)からの電波による健康不安が5Gの展開の障害となっているという事例もあり、我が国においても一部で不安の声が上がっています。 こういった不安の理由の一つとして、電波は確実に身の周りに存在しながら、目に見えないために、どのような強さなのか分からないということが挙げられます。そこで、様々な発生源からの電波の強さを網羅的に把握してデータを蓄積し、電波ばく露レベルの情報を広く共有することが求められています。 電磁環境研究室では、上記のニーズを受け、電波環境の測定技術を有する公的研究機関として、我が国で初めてとなる電波ばく露レベルの大規模・長期測定を2019年度に開始しました。電界プローブによる定点測定、携帯型測定器を個人が持つことによる測定、電測車による広域測定等を組み合わせることで、データの偏りを抑え、大規模かつ詳細な電波ばく露レベルのデータを取得しています。

電波ばく露レベルモニタリング

電波ばく露レベルの測定は大きく分けて、定点測定、携帯型測定器による測定、電測車による測定に分けられます。

利用実態の調査

一般家庭の電波機器の利用実態について、ウェブアンケートによる調査を実施しています。回答者の中から協力者を募り、個人ばく露計を用いて住居内の電波強度測定を行います。

リスクコミュニケーションの研究

測定・調査によって取得したデータをもとに、電波ばく露に関するリスクコミュニケーションのあり方について研究しています。

疫学研究との連携

関連するコホート研究を行なう研究機関と連携して、電波ばく露評価について本研究データの活用および技術支援を実施します。疾病と電波利用の関連を考察するトレンド解析にも本研究のデータを活用します。

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