高周波電力計の較正

無線局の試験や免許を行うためには、無線機から出力される電力(空中線電力)を測定することが必要です。携帯電話や無線LAN、テレビやラジオの電波の強さ(送信機からの出力)は、NICTが供給している値を基準として測定が行われています。

最近では大容量のデータを効率よく伝送するために、ミリ波を利用した無線通信システムの開発が進んでいます。そこで2014年3月、NICT電磁環境研究室では世界に先駆けて110 GHz~170 GHzの電力較正システムを開発し、較正サービスを開始しました。[ 報道発表 ]

110 GHz – 170 GHz 電力計較正システム

「取替同時比較法」と呼ばれる較正法を用いて、高い精度での較正を実現しています。

市販されている電力計のどれを使って測定しても、同じ結果が得られる(同じ測定値が表示される)ようになります。
また、電力計を基準として、スペクトラムアナライザの較正ができるようになります。

周波数変換器(ミキサー)を用いた電力測定

周波数変換器(ミキサー)が周波数変換を行うときに発生する損失(コンバージョン・ロス)を正確に決定することで、ミリ波帯の電力測定を可能にする技術の開発を行っています。

コンバージョン・ロスが未知のミキサーを3個用意し、3通りの組み合わせで挿入損失を測定することで、すべてのミキサーのコンバージョン・ロスが決定できます。
挿入損失は、従来のマイクロ波帯の測定機を用いて決定することができます。

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